■株式会社やま磯/広島市安芸区矢野新町
「広島は江戸に次いで海苔養殖を始めた地域なんです。江戸時代には広島の海苔の名は全国に知れ渡り、牡蠣と並ぶ代表的な特産品でした」(やま磯代表取締役 磯部茂見さん)
太田川デルタ上に形成された広島市。遠浅で淡水と海水が交じり合う地形は海苔養殖には最適だ。明治から昭和にかけての埋め立てにより海苔養殖は衰退したが、戦火を逃れた現在の黄金山付近では今なお当時の面影を残している。
「創業以来、頑なに素材、製法にこだわり続けています。創業者である父、磯部武治の職人技を社員一丸となって継承し、お客様に満足していただける本当に美味しい海苔作りを通して、世の中から必要とされる企業である事が私たちの使命です」と磯部社長。
昭和三十五年には「おかず海苔」が大ブレイク。さらに四十五年には「カップ入り味付海苔」を日本で初めて発売。海苔を一般大衆食として普及させた。
「プロ野球が終わる十一月が海苔業者の開幕です。全国の産地へ直接出向き、産地ごと、浜ごとに異なる海苔の品質を五感で確かめ、当社の基準に合った海苔だけを選別します。「見付」と呼ばれるこの仕事は美味しい海苔作りの生命線です」と磯部社長は語る。
あくなきこだわりは商品作りにとどまらない。工場はもとより施設内外の清掃にも社員総出で取り組んでいる。こうした取り組みが評価され、平成十年には「施設優良企業」として厚生大臣賞を受賞。
そしてこの度サムライ日本プロジェクトに参加。創業六十周年を迎える同社のこだわりを安芸国サムロック味付海苔として発売する。